夢であえたら・・・3
あれから15年・・・・
久しぶりに夢で聞いたお姉ちゃんの声は、あの頃のままだった。
僕は15年の時間とともにお姉ちゃんの存在を忘れてしまっていた。
あいかわらず高熱は続いている。昨日から何も食べていない。
「何か食べんとあかんわ・・・」
思い切って体を起こし、買い置きしてあったレトルトのおかゆをレンジで温めた。
風邪をひいたときに食べるおかゆは母親を思い出す。
僕が小学校入学した頃に母親は死んだ。病気だったらしい。
両親が共働きだったため、母親と一緒にいた思い出というのは僕が病気にかかった時のものしかない。
他にもあるはずなのだが、そのときに必ず作ってくれたおかゆの思い出だけが強烈に残っている。
それから僕の母親はおばあちゃんだった。小さくして母親を亡くした僕を思いやってか、
おばあちゃんは本当に母親になろうとしてくれた。
僕はそんな姿を見て子供ながらに気を使っていた。ワガママを言いたいがおばあちゃんを困らせては
いけないと我慢したり、かなりいい子になろうと頑張っていた。
やはり、母親は母親であってこの世に代役できる人は存在し得ないのだ。
反抗期も経験せず、ほとんど困らせることもなく僕は大人になった。
トゥルルルルルルルルル・・・・・・・・
トゥルルルルルルルルル・・・・・・・・
おかゆが温まったのと同時に電話が鳴った。
「もしもし・・」
久しぶりに声を出したのと、風邪のせいではっきり声が出なかった。
「もしもし、俺やけど元気か?」
久しぶりに聞く父親の声だっだが、あきらかに疲れた声だった。
「風邪ひいて寝てた。どうしたん?」
レンジのおかゆを取り出しながらいった。
「さっきおばあちゃんが死んだ・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
僕は頭が真っ白になった。これは風邪のせいではなかった・・・・
つづく・・・・・・・
久しぶりに夢で聞いたお姉ちゃんの声は、あの頃のままだった。
僕は15年の時間とともにお姉ちゃんの存在を忘れてしまっていた。
あいかわらず高熱は続いている。昨日から何も食べていない。
「何か食べんとあかんわ・・・」
思い切って体を起こし、買い置きしてあったレトルトのおかゆをレンジで温めた。
風邪をひいたときに食べるおかゆは母親を思い出す。
僕が小学校入学した頃に母親は死んだ。病気だったらしい。
両親が共働きだったため、母親と一緒にいた思い出というのは僕が病気にかかった時のものしかない。
他にもあるはずなのだが、そのときに必ず作ってくれたおかゆの思い出だけが強烈に残っている。
それから僕の母親はおばあちゃんだった。小さくして母親を亡くした僕を思いやってか、
おばあちゃんは本当に母親になろうとしてくれた。
僕はそんな姿を見て子供ながらに気を使っていた。ワガママを言いたいがおばあちゃんを困らせては
いけないと我慢したり、かなりいい子になろうと頑張っていた。
やはり、母親は母親であってこの世に代役できる人は存在し得ないのだ。
反抗期も経験せず、ほとんど困らせることもなく僕は大人になった。
トゥルルルルルルルルル・・・・・・・・
トゥルルルルルルルルル・・・・・・・・
おかゆが温まったのと同時に電話が鳴った。
「もしもし・・」
久しぶりに声を出したのと、風邪のせいではっきり声が出なかった。
「もしもし、俺やけど元気か?」
久しぶりに聞く父親の声だっだが、あきらかに疲れた声だった。
「風邪ひいて寝てた。どうしたん?」
レンジのおかゆを取り出しながらいった。
「さっきおばあちゃんが死んだ・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
僕は頭が真っ白になった。これは風邪のせいではなかった・・・・
つづく・・・・・・・